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アケビ

Akebia quinata

2007/4/28    山野にて普通に見られるつる性の樹木

2007/4/7    早春の花付き芽だしの様子

2007/4/22    ミツバアケビの雄花

2007/4/22    ミツバアケビの雌花

2007/4/28    ミツバアケビのつる性新梢

2007/5/16    ミツバアケビの葉

2007/5/16    アケビの葉

2007/5/8    ゴヨウアケビの葉

2007/6/9    結実後に膨らみ始めた果実

2008/10/12    熟す一歩手前

2008/10/12    完熟すると実は割れる
日本全国の山野に普通に見られる雌雄同株の落葉つる性樹木であり、主な種類は葉が5枚あって
縁が全縁の基本種であるアケビ、葉が三枚で縁が波型のミツバアケビ、二つの雑種とされている
葉が五枚あり縁が波型のゴヨウアケビに分かれます。
この付近で見られるもののほとんどはミツバアケビであるためミツバアケビ中心の説明となります。
種の発芽率が良いせいか山に行けば子株がいたるところで見られ、時に雑草のように足の踏み場が
ないほどになっていますが成長した開花株がそこまで多くないことからそのほとんどは成長せずに
絶えてしまっているようです。
花期は4月頃、新芽と一緒に花芽も出し花序の先端に10個ほどの雄花を付け、雌花は雄花の手前から
0〜3個ほど長い柄をだして先端に一つの雌花をつけます。
花は暗紫色(アケビは花弁が白)ですが雄花はは熟すと青白い花粉を、雌花は雌しべの先端に粘性を
帯びて蜜は出さず、どうやら虫を騙して花粉を運ばせて受粉をしているようです。
初秋の頃には果実が口をあけて熟し、中にある果肉は甘く食べることができます。
昔、山で遊んでいた方はこれをおやつにしていた方も多いと聞きます。
落葉樹となってはいますが冬にも少量の葉が残ることが多く冬を越して翌年まで残ります。
名の由来は実が口を開いた様子があくびに似ていることからアクビ→アケビと変わったと言う説と
実が開くので開け実→アケビとなった説があります。

利用法

アケビの新芽は春の山菜としても知られ単に「木の芽」と言う名称だけで販売、流通しています。
柔らかいつるも食べることができ、こちらの方が食感も良く、こちらの方が良く食べられています。
両者ともほろ苦さがありこの苦味がきつく感じるときは暫く水にさらしアク抜きをすると良いでしょう。
あまり水にさらしすぎるとそっけない味でつまらなくなってしまいますので多少ほろ苦さが残った方が
山菜としてのアケビの美味しさが楽しめると思います。
また秋には果実も食べることができ果肉の部分はもちろん、皮も細かく切って炒めたり、肉詰めして
調理されます。皮も結構苦味がきついので好みが非常に分かれる食材のようです。
果肉は甘く美味しいのですが種子が多く種を口から出すのが大変で"果樹"というところまではまだ
行き着いていないようです。それでもスーパーやデパートなどでは結構な値段で売られているもの見かけます。
木質化したつるはつる細工や木通と言う名の漢方薬になり種子も木通子と呼ばれる漢方薬になります。

栽培法

山野の半日陰や日向に生えていますので日照があったほうが育ちが良くなります。
つる性で絡まって大きくなっていきますので近くに樹木、または支柱や垣根、平棚など
鉢植えにする場合は行灯仕立てにするなど絡ませるものが必要となります。
アケビは絡んだものにあわせてかなりの高さまで伸びていきますので木に絡ませる場合は最高でも
3mぐらいまでの樹木にして高木に絡ませないように注意しましょう。
性質自体は強いですが根を深く張らず、そのため乾燥には弱いです。
しかし根は好気性で、あまり水持ちを優先した用土だと生育が鈍りますので水捌けが悪い場合は
有機質を良く含んだ水捌けの良い用土に改良して植えつけてあげたほうが良いです。
土はやや酸性に傾いた方が生育が良く、アルカリ性に偏っている場合などには無調整
ピートモスなどで酸度調整をすると良いでしょう。
根が浅いため乾燥と霜による被害を防ぐため植え付け後はマルチングをします。
施肥は芽が動き出す少し前の2,3月頃に元肥を、果実の充実を図るため夏の7,8月頃に追肥
収穫後の10月過ぎに礼肥をあげましょう。
開花後から結実初期に施肥すると株が成長を重視し結実が悪くなりますので注意してください。
増殖は取り木と挿し木で行います。実生も発芽率がかなり良いのですが開花株になるまで
10年近くかかるためあまり実用的ではありません。
取り木は高取り法でも圧条法でも発根することができます。挿し木は梅雨頃に緑枝挿しになりますが
そのままですと水分蒸発量が多くなりますので必要に応じて葉を落としたりハサミで葉を半分ぐらい
切るなどして調節することを忘れないでください。

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