Top > 果樹 > ブルーベリーの増やし方 > 休眠挿し

休眠挿し


挿し穂の採取

    挿し穂の採取時期はブルーベリーが休眠中の11月頃〜3月頃のいつでもかまいません。
    剪定と一緒に採取してしまうのが一般的でしょう。
    挿し木に向く枝は若い1年枝で木質化したものは発根しにくいようです。
    また、太くしっかりした枝の方が発根後の生育が良好との話もあります。
    挿し穂を採取してもまだ挿し木の時期には早い場合は乾燥させないように
    サランラップ、ビニール袋や密封できる保存袋に入れ冷蔵庫のような冷暗所に保存してください。
    私の場合は保存が面倒なので採取〜挿し木がすぐできるよう2〜3月にまとめて剪定します。
    すぐに挿し木を行う場合は枝の長さを7-8cm程度(葉芽が2,3個分ぐらい)に整え斜めに切ります。
    このとき枝の長さを調えるのは枝の組織をつぶしてしまうためハサミでなく切れ味の良いナイフの方が良いです。
    その後、切り口が乾燥しないように水揚げを行います。
    私の場合は一晩置きますが3時間ぐらいが標準のようですね。


    挿し穂が水を吸い上げやすいように斜め切る

    十分に水を吸わせるためしばらく置いておく

挿し床

    まず容器ですがこれは人によって異なるようです。
  • プランターや育苗箱
  • 準備から水遣り、移動などあまり手間がかかりません。
    大量に挿し木を行い場合は手間がかからずよいと思います。
    ただし発根の確認がしづらく、確認のために土から抜いたり
    植え替えのときに根を痛めやすいのが欠点でおすすめはできません。
  • プラグトレイ
  • 一つ一つ種まきや挿し木用に区切られているトレイです。
    そのため発根後根を痛める心配もなくなります。
  • 小型ポット
  • 私は7.5cmのCSポットに個別に挿し木しています。
    水捌け良く、発根後の根腐れも今のところありません。
    プラグトレイの個別版といった感じですが
    発根後、根をしっかりと成長させるのにしばらくそのままことも可能です。
    また、ピートモスを固めて鉢形にしたジフィーポットも良いようですが
    通気性良いのが裏目に出て水遣りに気を使わなければならないようです。
    発根後の根の確認もしづらく、使い捨てになります。

    続いて用土ですが一般的には目の細かいカナダ産ピートモスに鹿沼土を混ぜた混合用土に挿します。
    私は面倒なのでピートモス100%ですがBlueBerryNoteでデータが出てる通り混合用土のほうが
    発根率があがるようです。発根には通気性も重要なようですね。
    また、ピートモスは新しいものを使用してください。古いものは雑菌が繁殖しているので
    挿し穂の切り口に雑菌がついて枯れることもあります。
    土はぎゅうぎゅうに詰めすぎないように逆さにして落ちない程度なら問題ないと思います。
    一度だけやってみたのですが発根率はかなり低下しましたので。
    挿し穂の切断面の組織を傷つけないように土に爪楊枝などで2cm程度穴を開けて
    挿し穂を挿して良く切断面と土を密着させます。


土もたっぷり水を含ませポットに詰めます。

一鉢でこんな感じになります。

管理

    初めは風通しの良い半日陰で管理するのが良いようですが
    強風の当たるところは避けたほうが良いです。
    私はあまり気にせずに初めから良く日の当たる場所においていますが問題はありません。
    根がなく、切り口から直接水を吸い上げるため水切れは絶対に厳禁です。
    発根するまでは過湿状態でも問題ありませんので毎日水をあげるぐらいでも大丈夫です。
    鉢からの排水がそのまま鉢に付く様に留まっていると雑菌の繁殖、発根後の根腐れにも
    つながりますので育苗箱のようなものに入れると良いでしょう。

一時成長

    4月頃から葉芽が動き出して葉が展開し始めます。
    今まで半日陰で管理していた人はこのあたりで良く日の当たる場所に移動してあげてください。
    葉は大きくは展開しません。根がなく水分吸収量に対し葉からの水分発散量をあわせているためです。
    しばらくそのまま管理していれば3cm-5cmぐらい成長して
    枝に残っていた栄養分が切れて一時成長が止まります。
    一時成長が止まったあたりから水遣りには注意をしてください。
    発根した後に過湿状態だとせっかくの発根苗も根腐れをおこして枯れてしまいます。

何枚か葉を展開した後、新芽は黒く枯れて一次成長は止まる

二次成長と発根

    二次成長をし始めれば大体発根していると考えてよい、といわれています。
    発根が確認できたものにはその後の成長のために肥料を2粒ぐらいあげます。
    発根した直後は濃度障害を起こしやすいので多めにあげたりすると
    せっかく発根したのに枯死させてしまうこともありますのであげるのはほんの少しにしましょう。
    肥料をあげると用土の表面に苔が発生しますが鉢上げするまではこのままでも問題ありません。

二次成長後暫くすると根が外側にも出てきます。

鉢上げ

    挿した用土に根が良くまわってきたら鉢上げをしましょう。
    使用した容器によって異なりますがプランター、育苗箱などを使っている人は
    植え替える際に根を傷つけないようにかなり注意する必要があります。
    プラグトレイを使用している人は用土の容量が少ないので発根後すぐに根がまわり
    鉢上げを早めにする必要があります。
    小型ポットの場合はしばらくそのままで育てることも可能です。
    共通して言えることですが絶対に根は傷つけないように注意をしてください。
    発根したばかりの小苗は非常に弱いものですのでちょっとしたことでも枯死してしまいます。
    プラグトレイ、小型ポットの場合は根は崩さずに丁寧に植え替えてあげましょう。
    植え替えた後は根腐れをおこさぬように水遣りに注意して管理しましょう。